第2のカード「中国ショック」~市場混乱の裏にちらつく米国の影
第2は中国です。
中国の人民元は10月からSDRの構成通貨に加えられます。これを機に、中国当局は、IMFや米国からの要請、圧力もあり、資本規制、為替管理を緩め、より開放された市場にしなければなりません。
これを先取りするように、人民元相場はじり安となっています。
そして先週あたりから、香港の人民元預金が急減しています。恐らく、本土に資金が逆流しているものと思われます。
香港での人民元預金は、14年末に1兆元ありましたが、この7月には6671億元にまで減少しています。その中で、香港銀行間取引金利(HIBOR)の金利が急騰しました。
HIBORは通常中国の預金金利見合いで、1.5%前後でしたが、先週19日には23.68%をつけるなど、急騰しています。預金の急速な流出で、香港の銀行が資金をとりあさったためと考えられます。

香港ハンセン指数 週足(SBI証券提供)

上海総合指数 週足(SBI証券提供)
昨年夏も今年初めも、中国での市場混乱の裏に、米国の影がちらついています。中国当局が動きにくいこの時期に、米国資本が揺さぶりをかけてくる可能性は否定できません。