政府系マネーの買い支えで保ち合い圏が続く
今後FOMCと利上げの関係だが、次回11月FOMCは大統領選前で混乱を避けるために先送りされる公算が高いと見られている。可能性が高いのは12月だが、米国金融関係者の間では2016年は1度も利上げが行われないと見る者もいる。
改めて言うまでもないが、FRBが利上げを行うとドルが買われドル高円安に向かう。しかし利上げが先送りされると、現状維持だけれどもドル安円高になる。これまでのドル価格に利上げ思惑が含まれており、それがはがれるからドル安になるというわけだ。今年3月、6月、9月、利上げが有力視され、そのたび先送りされ、ドル安円高の長期トレンドから抜け出すことができないでいる。
今年、日銀はマイナス金利やETF大幅買い増しなど追加緩和を発表してきたけれど、円安に向かわないし物価2%上昇にもつながらない。米国が利上げという金融政策のカードを切らなければ、ドル円の下降トレンドは変わりそうにない。先進国の中ではドイツDAXと日経平均が似たチャートだがドイツDAXのほうが、上昇トレンド維持が明確。日経平均は今年8月以降のミニボックス圏下限に位置している。
繰り返しになるが、現在世界的に株式市場は過剰流動性相場、リスクオンの状態だが日本市場は長期で円高傾向なので外資マネーが流入しにくく買われていない。したがって上値が重たい状態なのだけれど、突っ込むと政府系マネーの買い支えがあるから底割れせず、保ち合い圏が続いている。
日本市場は袋小路に入ったか
来週の動きは金曜のシカゴ先物市場の動きから反騰に向かうと見る。ただしこれまでの保ち合い圏から脱する動きは想定しづらい。日銀の金融政策が量的緩和をあきらめ、マイナス金利の深堀りか、長短金利差の調整という方向に向かっている。市場関係者の間では袋小路に入っていると見る向きも少なくない。
12月FOMC、あるいは11月の大統領選で何か変化が起こるか。全て米国当局のさじ加減で方向性が決まりそうだ。当塾ではドル円は12月までなかなか方向感を見いだせないのではと見ている。日経平均も高値追いの状態にはなかなかなりづらいだろう。
今後のポジションの取り方
今後のポジションの取り方だが、東証1部大型株はあきらめ、中小型株か新興市場ないしは東証2部市場から有力な銘柄の買いでいく予定だ。セクター的には為替の影響を受けにくい情報通信やサービスなど内需セクターを通信に成長している企業に的を絞っていく。今年4月まで有望視された銘柄をもう一度、見直している。たとえばミロク情報やテクマトリックスは今月に入り、再び強い動きを見せている。東証1部大型株のトレンドのない動きから今後、消去法的にこうした方向性が明確になりだした銘柄に資金が還流していくだろう。
市場別ではJQ指数チャートが三角保ち合い圏の頂点から今週、じわり上へ放れはじめている。東証2部指数チャートも上昇エネルギーを感じられる。東証1部や日経225銘柄にこだわらず、買われている市場に目を向けて、その中から有望銘柄を探していけば活路はきっと見いだせる。