先行指標は良好で市場の期待感も高め
次に先行指標の数字を見ていきましょう。今回は比較的良好な数字が続いており、市場は期待感先行の値動きを続けています。

先行指標の結果(数値はいずれも速報値)と雇用統計の事前予想値
今回は日程の関係でISM非製造業部門の発表が雇用統計後になってしまいますが、全体的に堅調な数字が並んでいます。これを見て悪い結果が出るということはあまり想定できません。
特筆すべきはADP雇用報告と呼ばれる民間企業が発表する雇用者数で、+25.3万人(事前予想+18.0万人)という大幅な伸びを記録しています。
一部では雇用はまだまだ勢いよく伸びており、労働市場の需給が引き締まるなかで、賃金の伸びが加速するのではないかといった声も聞かれました。ただ、内訳を見ると雇用者の伸びは一般に低賃金とされるサービス業が中心で、昨年11月以来の大幅な伸びとなっています。
言うまでもなく、最近はインフレを推し量る上で平均時給の伸び(賃金上昇率)に注目が集まりますから、ADP雇用報告については少し割引く必要があるのかなと考えています。
また、市場も良好な結果を織り込んでおり、予想を下回った時の反動は少し大きくなる可能性がありますから、念のため注意しておきましょう。