利上げに注目のFOMCを控えドル買いはどこで止まるか
もうひとつトレンドの転換を図るうえで注意したいのが、ドル買いがどこで止まるかという点だ。これは日米金利差によるドル買い円売りが直接影響しているため、長期金利の指標である10年物国債の動きをマークしておきたい。
するとこの動きも先週の米国10年物国債の週足は下髭がついており、そろそろ下げ止まり反騰に向かう(利回りは低下に向かう)可能性が出てきている。昨年6月10日には2.50%まで利回りが上昇した後、下落(債券は上昇)している。
今回12月1日に2.45%まで利回りが上昇した後、下げ渋っていることから、そろそろ長期金利の上昇にも変化が出てくると考えるべきだろう。ドル円の動きについても、反落に向かうか、もみあいに変わる可能性がある。
12月FOMCは13日~14日に予定されており、今週はその直前週に当たる。今週のドル円は売り買い交錯になると見る。利上げを見込んでドルを買った人は利食い売りを出すだろう。
すでに利上げは織り込まれていると考えるのが妥当。利上げを決定したからといってさらにドル高に進むより、調整に進むかもしれない。もし利上げを見送った場合は、激しいドル安円高が進行する可能性が高い。それを見越して今週はドル売りを仕掛けるファンドさえいるだろう。
日経平均も連動して上値が重い展開。日経225PERと需給の相互関係、米国長期金利の動きと同時に、FOMCのイベント通過で、出尽くし売りか利上げを新たに織り込むか、どっちの確率が高いかという点まで含んで考えておきたい。
調整幅は?
さて今週以降、調整に向かうとして、どういう調整になるかだが、もちろん緩やかな調整を希望している。トランプ次期政権への経済界の期待は高い。テクニカル&ファンダメンタルの下押し要因が日経平均にあったとしても、日銀による指数系ETF買い、さらにはトランプ政権への期待から下げ渋る展開を当然望んでいる。
ただこればかりは思うようにいかない。もし来週、FOMCで利上げ先送りになればドル高の動きは急激に逆回転する。マーケットが利上げを織り込んでいるから現在ドルが買われているけれども、もし先送りされるなら激しくドル売り円買いに変わるだろう。CME市場で日経平均先物は、1日で500円を超える暴落で返ってきたとしてもおかしくない。また予想通り利上げが決定しても、大してドル高に進まないのではないか。
というふうに考えれば、やはり今週はどこかのポイントで1570日経レバETFを空売りして現物のリスクヘッジをしておくことに、やぶさかではない。その枠をしっかり空けて取り組まれることをお勧めする。
地合い予想と対応
売り買い交錯の地合いが今週は予想され、買いは個別株勝負。地合い全体の変化に備えて1570日経レバETFの空売りも適宜利用したい
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※本記事は、『山の中の超相場観』2016年12月3日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『山の中の超相場観』(2016年12月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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