注目を集めたフェイスブックは…
一方、市場で注目されたのはフェイスブックでした。26日の市場で前日比19%安となり、時価総額は1日で1194億ドル減少しました。米国の上場企業の1日の時価総額の下げ幅としては過去最大となったもようです。

FACEBOOK INC A<FB> 日足(SBI証券提供)
25日に公表した4-6月期決算が市場の予想に届かず、さらに成長鈍化見通しが示されたことも嫌気されました。25日の取引時間中に同社株は上場来高値を更新し、時価総額は終値ベースで6298億ドルに達していただけに、決算内容により下げへの反動が大きくなったようです。
フェイスブックが公表した決算では、売上高が市場予想を下回り、伸び率も1-3月期を大幅に下回りました。
18年第3・4四半期の売上高の伸び率は下がると会社は説明していました。6月末の1日あたり利用者数も想定に届きませんでした。3月に個人情報の流出問題が明らかになり、不正対策費用の負担も重いようで、人手がかからず事業効率が高いビジネスモデルは変わりつつあるとみられています。
ツイッターも急落
また、27日にはツイッター株が前日終値比21%急落しました。4-6月期決算では最終損益が1億ドルの黒字となり、前年同期の1億1600万ドルの赤字から黒字に転換しました。
売上高は前年同期比24%増の7億1100万ドルと市場予想を上回りましたが、不正アカウントの閉鎖に伴って月間利用者数が減少したことで失望売りが広がりました。

TWITTER<TWTR> 日足(SBI証券提供)
ハイテク株が引き起こした市場の混乱
このように、先週はハイテク株の決算で市場が大きく混乱しました。
ツイッターではサービスの健全性を高めて広告媒体としての価値を高めるため、テロ行為を称賛するなど利用規約に違反したアカウントを閉鎖する取り組みを強化しています。
プライバシー保護対策などを含めたアカウントの閉鎖数は18年4-6月期に300万強に上り、月間利用者数は3億3500万人と18年1-3月期に比べて100万人減少したもようです。
フェイスブックもそうですが、個人情報を扱う企業にはサービスの健全性を最優先することで追加のコストが加わっており、これが業績を圧迫するとの見方が強まりつつあります。
ツイッターは今後もシステム投資と人員増を続ける方針を示す一方、不正を自動検出する技術の改良などに伴ってアカウントの閉鎖数は増加しているとしています。
これらの状況に対して、市場が今後どのような評価を下すのか、要注目といえます。
ただし、これは事業の拡大と安定性を求めるうえでは必要不可欠な費用といえます。これを乗り切ることができれば、ハイテク株は一段の上昇に向かうと考えています。