ADPが大幅上振れ!先行指標は良好ですが…
民間の雇用指標であるADP雇用統計が大幅に上振れ、2年ぶりの大幅な伸びを記録したとのことで、昨夜は一時的にドル円が上昇する場面もありました。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
一方のISM製造業景況指数は、雇用指数こそさほど下がっていませんが、新規受注指数が大幅に低下して総合指数は2年ぶりの水準となりました。
雇用という観点から見れば、基本的にはまずまず良好な数字が並んでいるので、今夜の雇用統計もまずまず問題のない数字が出ることが期待されているでしょう。
ただし、諸手を挙げて市場が歓迎するかといえば全く別の話ですから、その点を踏まえた上でトレード戦略を考えていくことが重要かと思います。
雇用統計で流れが大きく変わる可能性は低そう
繰り返しになりますが、弱ければ弱いで景気停滞といった見方になりそうですし、強ければ強いで利上げが意識されて株安になりがちで、どちらのパターンでも市場がポジティブに受け入れる可能性は低いと考えています。
また、株価はボラティリティが非常に高い状態が続いていますから、引き続き暴騰・暴落の荒れ相場でしょう。
そして、上がるスピードよりも下がるスピードの方が早いことを考えれば、株価とともにドル円が多少戻したとしても、結局は円高方向への値動きが強く出てしまいそうです。
したがって、今夜の雇用統計は数字云々はあまり関係ないでしょう。もちろん、予想を上回る強目の数字が出て反発するのであれば、戻り売りを試すチャンスになると思います。

ドル円日足チャート
新年早々の大暴落でドル円は104円前半まで差し込む(FX各社によってレートはマチマチ)場面がありました。
年始の薄商いな中、流動性が低下した中での急落なので、本質的には見た目ほどの下落ではないものの、108円台すら満足に戻せない状況を踏まえると、やはり短期的には円高という意識が強まっていると言えそうです。
目先の目標としては、上値は前日の安値圏である108.80円から109.00円の節目にかけてがポイントでしょう。ここを抜けて110.00円にトライ出来れば下げ一服といった流れになりそうですが、現状ではかなり遠そうです。
戻せば戻したで一定の満足感も出そうなので、108円後半がせいぜいといった印象。
逆に下値に関しては、107.00円前後は流石に底堅そうで、仮に円高の流れとしても107円前半ぐらいで止まりそうです。