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「7pay」不正利用続出でお先真っ暗。どこで「ファミペイ」と差が付いたのか?=岩田昭男

セブンペイの還元率は最大1.5%

セブンペイの還元率は基本0.5%であるが、7月〜8月は0.5%をプラスして1%として、nanacoに代わる新たな主役に育てようとしているように見える(9月はそれに0.5%を加えて1.5%まであげる予定)。

さらにセブンイレブンにしては珍しく、セブンペイの導入に合わせて、PayPay、LINE Pay、メルペイ、それに中国のアリペイとWeChatPayの5ブランドの受け入れを発表した。

ローソン、ファミリーマートがコード決済に寛容な姿勢を見せていたから、それに刺激されてのことだろうが、セブンイレブンがオープンな姿勢を見せるのはこれまでにないことだ(コード決済が認知されたということかもしれない)。

コード決済「3ブランド」が早くもキャンペーンで盛り上がる?

そして早速、これらのコード決済陣営のうち「PayPay・LINE Pay・メルペイ」の3社は、7月11日から21日まで、セブンイレブンでの買い物で支払い金額の20%還元を行うと発表した。

これには当然セブンペイも続くと思っていたが、なぜかそのキャンペーンには参加せず、1%還元のままで押し通すようだ。

これには驚いた。せっかくの会員獲得のチャンスをみすみす逃すことになるのである。

20%還元をやっている横で、同じものを買っても1%還元にしかならないのでは、セブンペイを使おうという気にならない。今からでもいいから20%還元を一緒にやるべきだと私は思う。

ただ、実際には、セブンにとっては、他のコード決済が勝手にやってくれてもそれで儲かるのだから、それで十分とみているのかもしれない。金持ち喧嘩せずか。

ファミリーマートの狙い「金融事業」参入へ

一方のファミリーマートは別の勢いがある。その大株主は伊藤忠商事である。同社はこれまでも金融分野への進出をうかがっていたがそのチャンスがなかった。

今回、初めてファミペイという自らの決済手段を持ち、それを使ってTカード中心の現体制を一新して、伊藤忠商事中心の体制を作り上げようとしている(「カードの日」と「ファミランク」など順次廃止)。

さらに有利なのは、昨年末のPayPay祭りに参加してコード決済の熱狂の中で貴重な経験を積んだことである。 PayPay以外では、ビックカメラとともにコード決済の中身が一番わかるプレイヤーと言えるだろう。

ファミリーマートは、祭りの顛末もすべて見ていて、その成功と失敗、メリットとデメリットも目の当たりにしてきた。それがこれから役に立つだろう。

Next: ファミペイは「総額88億円あげまくっちゃうキャンペーン」を投入、勝算は?

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