緩和競争=通貨安競争だが、株価の押し上げがドル円を支える!
ご存知のように金融緩和というのは、基本的に市中にお金を供給してお金の価値を下げる、シャバシャバに薄めることですから、通貨の価値は下がります。
つまり、相場としてはNZドルや豪ドル、米ドル、ユーロ、ポンドなどが売られ、円が買われやすいということでもあります。
ただし、市中に供給されたお金、余ったお金は株などに向かうわけですから、株高となりやすいわけです。
そして、株高によるリスクオンの円売りから、今のところは各国の急速な金利の低下で日本との金利差が縮小しているにもかかわらず、それほど円高にはなっていません。
そういった意味で、為替市場に関しては、やや円高に対する備えが足りないのかなといった印象です。
先行指標は概ね悪化!今回からは非農業部門雇用者数に注目?
それでは、先行指標の数字を見ていきましょう。全体的にあまり良くない数字が並んでいますが、事前予想値はまずまずな結果を見込んでいるようです。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
ISM製造業の雇用指数にやや持ち直しが感じられる以外は、全体的に悪化傾向です。ADP雇用報告は、前回からの反動増でしょう。
雇用統計もそうですが、前月比の場合は、前回が非常に弱い数字になると、その直後は強い数字になりやすいですからね。それを期待して非農業部門雇用者数が+16.3万人増という予想値になっています。
また、今後はいよいよ利下げのタイミングを占うことになりますから、これまでの平均時給によるインフレ云々よりも、米経済がピークアウトしたかどうかを確認する作業になります。
なので、今回以降は非農業部門雇用者数の数字が重視されることになります。前月分の修正値なども見ながら、米経済の停滞感を確認していきましょう。