想定レンジは106.70~108.50円、2ヵ月連続の一桁台になれば107円割れも!
前回、5月分の雇用統計はADP雇用報告が大きく下振れていたため、ある程度は弱い数字が想定されていたこと、また、利下げ期待からNYダウが+300ドル近い上昇となったことで下げは限定的でした。それでも、初動は50銭以上も下落。
今回も利下げ期待で株価が上昇するかもしれませんが、非農業部門雇用者数が+10.0万人を割り込んで2ヵ月連続の一桁万人台となれば、為替市場ではドル安がイマイチ進んでいないこともあり、前回以上の下げになるのではと予想しています。
仮に非農業部門雇用者数の下振れから、米経済の停滞を嫌気して株価が下がるのであれば、円高も加わってダブルで下げそうで、現状はショート・戻り売りの方が有利でしょう。
とにかく、債券市場はもはや米経済はピークアウトと判断して、米長期金利(10年債利回り)は下がることはあってもなかなか上がりませんからね。
雇用者数が予想を上回る数字になって、利下げ後退からの金利高でも、これを嫌気して株価が下げて円高になるのであれば、上値は重いままですからね。
米長期金利、株価次第ではあるものの、これまでの流れを考えれば、ドル円の上値は非常に限定的であると言わざるを得ず、まずは売り目線で見ておきたいところでしょう。

ドル円(日足)チャート
目先は108.00円の節目ラインに21日移動平均線が位置しており、ここをブレイクすると108.20~108.30円ぐらいまでは上げやすそうです。
ただし、日足ベースで108.50~108.60円が天井となっていますから、よほど強い数字が出なければ、ここをブレイクしていく可能性は低そうです。
トレード戦略としては、雇用統計は数字を見てからトレードするのが基本ではありますが、仮に雇用統計前に期待感で108円台に位置しているのであれば、108.70円に損切りを置いて売りポジションを持っても良いと思います。
繰り返しになりますが、今回の非農業部門雇用者数が強めの数字になりそうという根拠の大半が、前回からの反動増と心許ないですからね。
ここ最近の世界的な景気の停滞・減速感を踏まえれば、予想を下回っても全く不思議ではありませんし、その可能性も十分あると考えています。
ドル円が中途半端な位置にある場合は、結果が出てからショート(売り)で乗っかって、107円割れぐらいの水準、先月安値の106.77円手前ぐらいでの利食いを目標にしましょう。
株価が大きく下げれば別ですが、一旦は大底の可能性がありますので、107.00円を下回る水準での突っ込み売りは避けましょう。
+20万人を上回る強めの数字が出た場合は、様子見。米長期金利が大きく切り返して上昇し、株価の下げが限定的ならドル円上昇というシナリオも十分ですが、今現在の株価が堅調な理由は世界的な金融緩和による低金利なので、なかなか想定が難しいでしょう。
予想並の数字が出た場合は、金利・株価の動向次第ですが、基本的には動けなさそうなので無理してトレードする必要はないでしょう。
というわけで、今回も売り有利となりそうですから、そのつもりで狙ってみたいと思います。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年7月5日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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