スマホゲームの大きなブームは去った
業績が降下した理由としては、1つにはスマホゲームの大きなブームが去ったこと、そしてもう1つは規模拡大に伴って従業員数が増加し、固定費が大幅に増えたことでしょう。
スマホゲームのブームが去ったことは、同業でモンスターストライクを有するミクシィの業績からもうかがい知ることができます。

出典:ミクシィ ホームページ
スマホゲームは「ガチャ」に代表されるように、ギャンブル性が高いことが社会問題にもなりました。しかし、ゲームの単純さがゆえに結局はユーザーに飽きられてしまったのです。
当時、これらの銘柄は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。しかし、ブームはそう長くは続きません。いつまでもブームの勢いが続くと思って株に投資すると痛い目を見てしまうのです。
任天堂とコロプラの決定的な違い
それでは、ドラクエウォークのヒットで上昇したコロプラの株価はどうなるのでしょうか。
私は、現在の上昇は一過性のものにすぎないと考えます。
確かに、ドラクエウォークが貢献し、一時的に業績は伸びるかもしれません。しかし、その収益がずっと続いたり、ましてさらに拡大する可能性は高くないと考えます。
例えば、かつてポケモンが発売された時には、多くの少年たちが熱狂し、続編が次々に発売されました。何百種類にも及ぶモンスターから生まれる関連商品の裾野も広く、かつて子供だった世代が大人になってもいまだにお金をつぎ込み続けています。
大人が騒げば、その子供も必然的に熱中することになります。そうやって、長きにわたって愛され続けるものを生み出してはじめて、大きな価値が作られるのです。任天堂の時価総額が5兆円もあるのは、そのようなものに資源を集中させているからです。
一方のドラクエウォークはどうでしょうか。「ドラゴンクエスト」の看板を持つスクエア・エニックスにとっては30年以上も続くドラクエシリーズの1つとして大きな役割を持つでしょう。
しかし、ドラクエウォーク自体は続編の必然性も低く、コロプラにとってはこれで終わってしまう可能性が高いと考えます。ここで多少ヒットしたとしても、それは何年も続くものではありません。
その意味で、これがコロプラの株価を支え続けるとは到底思えないのです。
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