買収ターゲットとなる日本企業はいくらでもあった
私のアイデアが、「ニッポン放送・フジテレビ」と「東京エレクトン・TBS・TBSの不動産」で、マイケルが「住友電工・東京タングステン」だった。
ただ、最初のうちは、ヘルメットのSHOEIとか東京スタイルとか、安定株主が50%を超えているものを狙っていたため、くすぶっていた。
この話は『まぐまぐ!Live』で受けた。なぜ、そんなアイデアを持っているのか?という質問が出た。
答えは簡単。このような、含み資産が時価総額より大きい状況は、この何十年もの間、日本の上場会社には腐るほどたくさんあるのである。
子会社の方が時価総額が大きくなるケース
簡単に説明してみよう。例えば、マスコミ業界だ。
まず、戦後発展したマスコミは、ほとんどが通信社か新聞社が母体である。すべての新聞社が未上場であり、お互いに相手のことは報道しないという不文律があるために目立たない。私は、M&Aバンカーとして日本に戻ってきた1990年に、朝日新聞の当時の大株主から相談を受けて、業界のことをかじることになる。
日本のマスコミは、新聞社がラジオやテレビを作り、子会社の方が親会社よりも大きくなってしまうのである。
ニッポン放送の場合は、弱小の産経新聞だけではなく、財界が創ったような老舗のラジオ局で、その株を中興の祖の鹿内信隆さんという方が、筆頭株主として、産経新聞もニッポン放送も牛耳っていたのだ。
朝日新聞の朝日テレビも同じである。読売新聞と日本テレビも、テレビ局が上場すれば親会社よりも大きくなるのである。
今ではどちらも10兆円の時価総額になってしまったNTTとNTTドコモも、過去はドコモがNTTを抜いた時期があった。もっと古くは、古河鉱山。子会社の古河電工や富士電機の方が大きくなった。富士電機の子会社の富士通の方が富士電機よりも大きくなり、時価総額3兆円の富士通の子会社のファナックの方が大きい。ソニーとエムスリーも同じような関係だ。
というわけで私は、同じ会社出身で、村上さんのようになりたいという後輩にいくつかアイデアをあげたりしている。
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『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2020年8月8日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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