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【展望】弱気に傾いた外国人投資家、東京株式市場も調整は免れず

週末のNYダウは394ドルの大幅下落。買い方として期待したいのは日銀によるETF(上場投信)買いの下支えで、月曜日はそのへんがどれだけ機能するか。それ次第でしょう。(『山の中の超相場観』)

※本記事は、『山の中の超相場観』2016年9月10日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

NY主要3指数の下レンジブレイクは世界市場に連鎖するか

「いいとこ取り」だった先週までの動き

先週は月曜寄り付き、6月以降の高値を更新する上伸で始まり、その後は緩やかな調整。ただし突っ込むと日銀ETF買い期待の資金流入で底堅く推移しました。

イエレンFRB議長が8月23日ジャクソンホール講演で利上げを行う経済要件が整ってきたという内容のスピーチを行って以降、ドル高円安とともに日経平均は買戻しが進みました。

講演以降、2週間が経過しましたが、先週末の8月雇用統計や先週火曜発表のISM非製造業景況指数の内容が市場予想より低く、早期利上げ観測が後退、そのことで為替市場ではドル円の巻き戻しが起こり、FRB議長講演直後の1ドル104円台から下押しが続き先週金曜の東京時間終値は102円10銭台で終了しました。

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この2週間を振り返ると米国利上げを取り巻く強弱感の対立が市況を左右したと言えます。

イエレン議長講演で米国に早期利上げ思惑が急浮上したわけですがNY株式市場は割と冷静、そして底堅かったです。いっぽうシカゴ先物日経平均はドル高円安とともに買われ、それが東京現物市場をけん引しました。いいとこ取りだったのです。

金曜NYダウ急落の背景は

9月利上げがもたらす影響について、NYダウが1日100ドル未満の緩やかな調整ならドル高円安効果のほうがより強く市場に影響を与えるのではないかとしておりました。日経225PERも14倍台でまだ割高ではありません。9月中間配当権利取りも相場を下支えすると見ておりました。

しかし先々週末から先週に入ってからの米国市場は、繰り返しになりますが、雇用統計や景況指数の低調から再び早期利上げ観測が後退し、利上げ時期に対しての見方が錯綜しました。でありながら株式市場では大幅下落はなく管理された調整というムードが感じられたのですが。

来週は20-21日の9月FOMCまでいよいよ1週間前になります(声明発表は日本時間22日午前3時予定)。8月雇用統計やISM非製造業景況指数の中身がよくなく市場に台頭した早期利上げ観測の後退は、市場関係者の希望に過ぎなかった可能性もありそうです。

先週に入りFOMCメンバーの連銀総裁たちから早期利上げを連想させるコメントがたびたび発せられた結果、週末金曜、NY市場はどうなったかと言いますと、既にご承知の通りNYダウで394ドルの大幅下落。ナスダックやS&P500もダウと同程度の2%超の下落を見せたのです。

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