祝日も動いているシカゴ日経平均先物を見ると、月曜高値からわずか5日間で約1800円安の暴落。ドル円は今後102円台まで行く可能性が高く、これも日経の下押し圧力になる。(『山の中の超相場観』)
リバウンドは一時的、日経平均は2月安値1万4865円を意識
5日間で約1800円安の暴落
先週の世界の動きに関しては率直に言って、意味不明としか言いようがない。
海外投資家の直近の投資動向は5284億円の大幅買い越し(4月18~21日)だった。4月に入り3週連続の買い越しで昨年12月第2週から今年3月まで続いた長期の売り越しから、ようやくポジション転換が図られたのかと見ていた。外資が買い越しに転じた最大の理由は日銀による追加緩和期待が底流にあったそうである。
国内勢にとり1月末の金融政策決定会合で大規模な追加緩和とマイナス金利を決めたばかりで、まさか追加緩和期待があったとは信じがたいが、証券界には先週、根強い追加緩和期待があったことが知られ、その主体が外資だったようだ。4月に入り週を追って買い越し額が増えているのだから、そのことを否定はできない。
先週初めまで日経平均は確かに強かった。月曜、1万7600円台まで買い上げられた。先々週まで大幅に外資が買い越した投資行動と合致する。ところがそこがピークで、以降は上値の重い動きが続いた。
月曜、陰線、火曜日がクロス、そして水曜日に再び陰線。シカゴ先物市場で高く帰ってきても下押しする展開。そして木曜前場はGW直前にもかかわらず底堅い動きをしていたけれども、後場に入り日銀の金融政策が現状維持と判明しギャップダウンで急落した。下方修正したファナックやメガバンクの下げ方が目立った。
そして金曜、日本は祝日だったが欧米市場は下落。特にシカゴ日経平均先物が大証比で640円安とさらに大幅に売られ終値が15860円。

シカゴ日経平均先物円建 15分足(SBI証券提供)
月曜日の高値からわずか5日間で約1800円安。暴落だ。この売られた方はいったい何だと、あきれるしかない。嵐の中の小舟のようだ。国際市場におもちゃにされている印象すらある。
ドル/円は102円台まで行く可能性が高い
ドル円は先々週金曜に海外市場で111円台まで急反発し、その後もみあい先週木曜の10時半に111円80銭台まで上昇していた。
日銀の追加緩和観測が背景にあったから円売りドル買いが進んだそうで、ところが日銀の金融政策が現状維持とわかってドル売り円買いが始まった。年初来安値を更新し、2014年10月中旬のドル円レートまで戻っている。ある意味、当塾が昨年初めから扇形レンジブレイクでドル円は長期下降トレンドに入っていると予想したとおりの動きで、この調子ならさらにドル安円高が進行する確率が高い。
今後106円台で止まらず、105円台、104円台とドル安円高が進み2014年2月から8月までのもみあいレンジ、102円台まで行く可能性が高いだろう。となると当然、日経平均の下押し圧力になる。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)
欧米市場、とりわけ米国株式市場にとってはドル安が都合がいいし、ドル建ての原油先物は底入れ兆候を明確にしており今後この現象が進むだろうから、米国株式市場は底堅く推移すると見る。オイルマネーを原資に株式投資に回すので彼らのリスク許容度は高まるだろう。
とはいえ欧米市場もテクニカル的な高値圏の位置にあり反落の兆候が見える。その典型がナスダック指数とドイツDAX指数で、昨年4月、7月、11月、今年4月のそれぞれ高値が順々に落ちてきている(ドイツDAX指数は昨年7月、12月、今年4月)。先週の陰線下落は上昇トレンドから反落に変わった可能性があるので注意したい。