経済のグローバル化は有益か
経済のグローバル化は、倫理の堕落、特に、エリート層の倫理の堕落や無責任化を招くようです。国のため、地域社会のため、という倫理観が失われていきます。
現在でもよく引用されますが、英国の文学者サミュエル・ジョンソン(1709-1784)は、かつて、「愛国心とは、ならず者(卑怯者)たちの最後の避難所である」と言ったそうです。
しかし現代では、グローバル化が、ならず者に避難所を与え、また、「グローバル化」という言葉のほうが、卑怯な振る舞いの各種の言い訳として利用されているように感じます。
日本は現在、文科省をはじめとして「グローバル人材」なるものの育成にやけに熱心で、税金を大量に投入していますが、育成される「グローバル人材」たちは本当に我々に有益な存在になってくれるんですかね。大いに心配になります。
『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016/4/15号より
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