東京株式市場の方向感がなかなかつかめない中、NYダウに要注意の連続足が出現した。引け値ベースで4月最安値を週末の金曜日に更新してきた。下押し圧力を感じさせる。(『山の中の超相場観』)
今週の相場展望~CME高でも週明けの日経平均は下押し圧力重く
外資は再び日本株に弱気姿勢
GW直前の週は日銀の金融政策が現状維持とわかり急落した。4月に入り海外投資家(俗称=外資)が昨年11月最終週からの長期売り越しから転換を図り買い越しを続けていたけれども、日経平均が急落した4月最終週は売り越した。続けてGW中の2営業日でも大幅売り越しで、外資が再び日本株に弱気姿勢を見せている。
外資が4月に入り買い越しに転じた背景には日銀による追加緩和への期待があった。
東証1部25日騰落レシオはその割に突っ込んでおらず100を超えたあたりで高くもないかわりに低くもない。日経225PERは15倍を割った水準。こちらも中位ゾーン。どちらも上にも下にもいける位置にある。ドル円は連休中の5月3日に105円50銭台まで急落(円高)したが、その後持ち直して現在108円60銭。4日もみあいレンジを形成している。
上記データを見る限り、今後の動きはまだ何とも言えない。方向感がなかなかつかめない。目線を転じてNY株式市場を見てみよう。
NYダウのトレンド転換に要注意
NYダウに要注意の連続足が週末、出現したように思う。引け値ベースで4月最安値を金曜、更新している。下押し圧力を感じさせる。長期上昇トレンドが続いていたが下降へと今後トレンドが変わる可能性にも気をつけたい。

NYダウ 日足(SBI証券提供)
原油価格が長期底入れし反騰中なのでリスクを取りやすくなっている。市場環境として現在、米国株式市場は悪くない。しかしVIX指数は低い位置を這うように推移しており、それだけ現在米国株式市場がリスク認識から遠い位置にある。その辺を考えるとNY市場の金曜の大幅下落が上昇トレンドを変えるサインになる可能性もある。
昨年7月からNYダウは下限16000ドル、上限18000ドルのボックス相場で、昨年11月3日に17918ドルまで上昇して反落し今年2月11日に15660ドルまで下げて底を打った。そしてそこから反騰し4月20日に18096ドルまで反騰した後、下落モードに入っている。そういう状況下、VIX指数が15.04Pだから、そろそろ急上昇してもおかしくない。
週末、金曜のNYダウは185ドル安の17535ドル。5月4日以降の7日レンジ下限を大きく下回った。テクニカル的には下押し圧力が高まる動きだ。
金曜のシカゴ先物日経平均は米国主要3指数が大きく下げた中、大証比50円高の16390円だった。ドル円が108円60銭と下げ渋る中、日経平均は救われたと見れなくもない。
ただシカゴ先物で高く帰ってきても、東京市場は重い動きが今年に入り続いている。日経平均への影響は避けられないのではないか。月曜の日経平均はしだいに下押し圧力が重くのしかかりそうだ。