先行指標は十分な強さ。今夜は特に賃金上昇率に注目したい
前置きが長くなりましたが、それでは雇用統計そのものについて考えていきたいと思います。まずは先行指標から見ていきましょう。

先行指標の結果(数値はいずれも速報値)
赤い数字が目立ち、前月からは悪化した指標の方が多いです。とはいえ、昨年10月から計算式を変えたことで相関性が高まったと評判のADP雇用報告は、+20万人を大きく上回りました。先月の速報値を下回ったとはいえ、非常に好調な数字です。
さらに、ISMの製造業部門における雇用指数は2011年6月以降で最高ということで、期待感はかなり高まっていると言えるでしょう。ISMの非製造業部門の雇用指数が久々に下振れているのはやや気がかりですが、問題のある数字とまではいえませんからね。
これらを受けた雇用統計の事前予想値については、非農業部門雇用者数+18.0万人、失業率4.7%、賃金上昇率・前月比+0.2%となっています。ただ、ADP雇用報告の上振れはかなりのものなので、非農業部門雇用者数についてはもう少し上を見込んでいる可能性が高そうです。
一般的に賃金水準が高いとされる製造業において雇用が好調ですから、最も重視されている賃金上昇率についても強めの結果を織り込みたいところではあります。ただ、相場の流れを変えるには、最低でも賃金上昇率(平均時給)が前月比で+0.4%といった数字になることが必須でしょう。
Next: 戻り売りが有力だが、近年は「戦争=株高・ドル高」の構図も