日経平均株価のリスク要因は2つ
日経平均を週足でテクニカル的に見ると、今週下押しはまだ継続しそうです。 浅めの調整で19000円前後、深めの調整なら18700円ぐらいまで押してもおかしくありません。
要因としては前述したとおり、円高がどこまで続くか不透明感がぬぐえない点。そして北朝鮮ロケット発射リスクの2点です。
現在1ドル108円割れで、日経平均構成の大多数の企業が想定する今期為替レート、109円を下回っていることで、次期業績発表で下方修正思惑が出てくることが懸念されます。短期でドル安が終了なら、9月19日~20日の米国FOMCまで、長引けば10月26日のECB定例理事会を目指して、まだドル安が続く可能性も否めません。
そのへんの時間軸で考えると1ドル105円くらいまで調整が進行するのか。それとも現時点ですでに底水準なのか、見通しは難解です。
もっとも、世界的な株価調整の動きにならない限り、東証1部大型株から小型株に至るまで全てのセクターが売られることは、まずありません。 現在、東証1部の25日騰落レシオが96.51なので、日経平均が調整する過程でもう少し売られる可能性がありますが、大底は近づいてきています。19000円前後、あるいは突っ込みが深くて18700円前後まで下げるなら、底入れの音が聞こえそうです。
対策としては日経平均構成銘柄、とくに輸出企業はなるべくはずすこと、大型株より中小型株で今期来期業績見通しが良いところに絞ることをお勧めします。今期来期の1株利益と1株当たり配当が増えるところは、もし株価が押しても時間経過とともに株価は見直されます。あわてず、どっしり構えていけばいいでしょう。毎年2桁増収増益、しかも配当も増え続けるなら投資家は見逃しません。
これは、アウトソーシングの2014年以降の配当と株価をチェックすればわかることです。 こういう銘柄の場合、ドカンと下げたときは、最高の仕込み時になるわけで、スイング投資家が耐え切れずに投げたところを狙っている投資家は多いです。
今週の予定
今週の予定ですが海外は特に大きなものはありません。 木曜中国の8月小売売上高(11:00) 、8月都市部固定資産投資(11:00) 、8月鉱工業生産(11:00)、3つの経済指数は世界の投資家が注目しています。 現在、上海総合指数は最高値水準で過熱感が出ているので、内容次第では大きな調整にならないか注意をしておいてください。
世界の株式市場ですがリスク回避の雰囲気は感じられません。 NY市場は調整の範囲内で長期上昇トレンドは崩れていません。 欧州は主要国は長期上昇トレンドを維持しています。ユーロ経済の中心、ドイツのDAX指数は先週、反騰し、上昇トレンドを維持しています。フランスや英国もしっかりです。
いっぽう、新興国のBricsは堅調過ぎるほど堅調です。 先述した中国以外にも、ブラジルボペスパやロシアRTS指数はテクニカル的に過熱圏に入る買われようです。 東京株式市場を避けて消去法的に投資マネーが入っているのかと疑われるほどです。
米債務上限問題、そして北朝鮮問題の見通しは?
ただし今月末に米国で債務上限問題がありますので、議会承認でもめると、リスク回避の動きが出てきても、おかしくありません。
テキサス州を襲った大型ハリケーン「ハービー」による洪水からの復興問題があるので議会もトランプ政権に協力するという報道もあるので、早期に法案が可決すれば株式市場への影響は少ないですが、月末まで、もめるようであればリスク回避の影響が世界的に出てきます。米国民全体の問題なので恐らく早期に議会通過のめどが立つと予想しています。
最後に、肝心の北朝鮮情勢ですが、いくぶん希望的観測かもしれませんが、しだいにリスクは織り込まれて、北朝鮮の挑発も低下していくのではないかと想定しています。米国が中南米諸国に北朝鮮への経済制裁に協力するよう呼びかけ、メキシコが北朝鮮大使の追放を決定しました。
9月12~25日にニューヨークで行われる国連総会に向けて、この動きは進むものと予想します。水素爆弾搭載の大陸間弾道ミサイルを開発し祝賀ムードの北朝鮮ですが、世界破壊級の武器がテロ組織に流出するのではないかという懸念も当然ありますし、世界的な孤立に北朝鮮は向かっています。ミサイルを使った挑発的行為は徐々に影をひそめていくものと予想します。
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※本記事は、『山の中の超相場観』2017年9月9日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(各種チャート図版や「ヒット銘柄探しの作法 まとめ」)もすぐ読めます。
『山の中の超相場観』(2017年9月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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リーマンショックや東日本大震災の前にショート(売り方)ポジションを取り大暴落を大幅利益に変え、アベノミクス上昇相場が始まる前にバブル崩壊後の日経平均の長期下降トレンドは底打ちしたと判断し買い方に転換。山中株式投資塾がおくる1週間ごとの相場観です。