株価は「スタートトゥデイ基準」なら正当化できる
赤字企業に対しては、最も一般的な株式指標であるPERが使えませんから、それに代わる何らかの指標で価値を評価する必要があります。
そのひとつはPSR(株価売上高倍率)です。費用がかさんで利益が出ていないのなら、費用を差し引く前の売上高で比較してみようという試みで、成長企業の評価でしばしば用いられます。
2018年6月期の売上高を3月期の業績から単純に引き伸ばすと、約350億円です。時価総額が4,000億円とすると、PSRは11.4倍と計算できます。上記に挙げた米Amazonが4.6倍、似た業態のスタートトゥデイ(ZOZOTOWN)<3092>が13.2倍です。メルカリはどちらかと言えばスタートトゥデイの基準で見られていることがわかります。
スタートトゥデイと言えば、新興企業の中でも破竹の勢いで業績を伸ばし続ける会社です。売上高は10年で10倍となり、株価もほぼ同じペースで上昇しています。最近では、服のサイズを自動で計測する「ZOZOSUIT」の無料配布が大きな期待を呼んでいます。

スタートトゥデイ<3092> 月足(SBI証券提供)
メルカリも、スタートトゥデイのような大きな成長が期待できるのなら、PSR11.4倍の評価が正当化されてもおかしくないと言えるでしょう。
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