郵政3社絡みのリバランス売りが上値を圧迫する可能性
そもそも12月に日本株が下落した要因はECBの追加緩和期待外れによる下落開始が本質的にありますが、もう一つの要因としてこの郵政3社のTOPIX組み入れのため、他の銘柄を売って郵政3社を組み入れる必要があったので、その換金売り圧力が強かったというのも日本独自の要因としてありました。

TOPIX 日足(SBI証券提供)
今回もまた4月に入ると、そのリバランス売りが上値を抑えてくることになりそうです。
とにかく何と言っても外国人投資家が買い越してこないと日本株の上値は追えません。これは上述しましたし、またずっとずっと言い続けていることでもありますが、少なくとも今年はまだ外国人投資家の買い転換は見られません。
何故外国人が買ってこないか、ということを考えると、やはり円高による業績悪化懸念が第一でしょう。先般の日銀短観の際に製造業の想定為替レートはドル円で118円でした。それが足元では113円まで円高が進んできているので、どう考えても厳しい未来予想図になりそうです。
実際、足元は商社を始めとして、様々な特に外需系企業の下方修正が目立っています。
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ですから、今は外部環境が良いのでこれだけの下落で済んでいると言えます。もしアメリカが急落したらどうなるか。そのことは常に念頭に置きながら、おっかなびっくりでの買いで対応すべき場面であるという認識です。
ロックフェラー家が化石燃料への投資を中止
日本株がモタモタしている間に、アメリカもさすがに2月中旬のボトムからの戻り局面が息切れしつつあります。背景はやはり原油。先日発表されたアメリカの原油在庫が予想を大きく上回る伸びで過去最高となりました。それを受けて原油先物も下落に転じ、これまでのアメリカ株の快進撃の勢いを減じてきています。
もう一つの話題として、ロックフェラー財団のロックフェラー家が化石燃料への投資を止めるとのこと。ロックフェラーといえばNYのロックフェラーセンターが有名ですが、石油で財を成してアメリカの石油王と言われたジョン・D・ロックフェラーの血統です。そのロックフェラー家が、自分達のルーツとも言える化石燃料を「環境の敵」として否定することになりました。日本の商社株の下方修正と対極的な印象です(しかし既に業績の悪さは織り込まれていると思っていましたが、案外株価は下がりました)。
こうなってくると、足元ではジャンク債への資金流入が続いて危機も忘れ去られた感じになっていましたが、また流れが戻りつつあるような印象です。
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