投資家は市場の「歪み」を見つけるべき
3つ目は株式投資の大原則なんですが、「歪み」を見つけるということです。
投資で儲ける為には、ただただ盲目的に何かに投資していればいいということはありません。むしろあらゆる良い材料というのはすぐに株価に織り込まれますから、なかなか市場平均を上回るような大きなリターンというのは上げにくい訳なんです。
しかし一方では、何らかの理由で市場から見過ごされていたりとか、あるいは悪材料に過剰反応して株価が下がってしまうそういったことがあります。
その実態と株価の乖離に歪みを見つけることで、利益を上げる超過リターンを上げるというのが投資家のやるべきことです。
実際、私が投資顧問契約として行なっているものも、この歪みを見つけるということを最大限に重視していまして、本当は良い企業なのに何故か市場から忘れられて割安に評価されていたりとか、あるいは悪材料が出たことによって本来あるべきところよりも株価が下がってしまうケースというのがあります。
そういう銘柄をコツコツ買っていれば、やがての上昇局面では、大きなリターンを得られることができるという風に私は考えていますし、実際にそれを行っています。
普段の生活の中に投資チャンスあり
例えば、日々の生活でよく使っているお店を運営している会社のPERは、例えば10倍で放置されていてすごく良い会社なのに、なんでこんなに安いんだろう?ということを普段から考えてみたり、あるいはそういったものを見つけたら、もう少し下がったら買ってみようということを考えます。
例として挙げるならば、エレコムという企業があります。エレコムはパソコン、あるいはスマートフォンの周辺パーツを売っている会社です。売り場に行くと、実はほとんどエレコムの商品だったりします。その中で例えばスマホのカバーを買おうと思ったら、気が付いたらエレコムの商品を買っていたということも少なくありません。
そんな中で、見事に株価はこの5年前からおよそ4倍という数字になっています。

エレコム<6750> 週足 (SBI証券提供)
細かいところでなくても、例えばニトリなんかは、私の経験でいうと大学生の時あまりお金がなかったのですが、一人暮らしの家具を揃えようと思ってニトリに行ったら、こんなに使いやすい物が、こんなに安い値段であるんだという風に驚きました。

ニトリホールディングス<9843> 月足(SBI証券提供)
そこで家具は買ったのですが株を買えなかったというのは、ひとつ惜しむべきところではないかと思います。
そういった日常のところに、株価と実態の歪みというのは潜んでいるという風に考えています。