アメリカ国民はいまの米経済をどう見ているか?驚きの世論調査
では、一般の米国民はいまの米経済をどのように見ているのだろうか?米経済は個人消費にけん引されている。米国民が今後の景気をどのように見ているかによって消費動向も決まってくるのでこれは重要だ。
先頃、「CNNマネー」が1万ドル(アメリカの感覚では100万程度)以上の資金をオンライントレードで運用している人々にいまの米経済の状況を評価してもらった。評価は一番高い「A」にはじまり、「B」「C」「D」と続き、最後は「落第」を表す「F」となっている。日本の5段階評価にだいたい対応しており、「C」が「平均的」の「3」に一致する。
すると、半数を越える52%が現在の米経済の状況を「C」と判定した。さらに残りの15%は、最低水準の「D」や「F」とした。
これは多くの米国民が米経済の状況を楽観していないことを表している。過半数の国民が経済の先行きに不安を感じているのである。これは、大企業倒産件数の増大や、企業収益の悪化などの他のデータと一致する結果である。
上昇し続けるNYダウの不可解
しかし、このように米経済の状況が明らかに悪化しつつあるにもかかわらず、ニューヨークダウは上昇している。4月19日には、約9カ月ぶりに1万8000ドルを突破した。米経済の減速を示す兆候がこれほど多く出ているにもかかわらずである。

NYダウ 月足(SBI証券提供)
普通であれば実体経済の減速を懸念して、ダウも下落してしかるべきなのに奇妙な状況だ。
今年の2月ころから、ハリー・デント、ピーター・シフ、ボー・ポルニーなどチャート分析の専門家で、リーマンショックの金融危機を早期に警告して予想を的中させた市場アナリストは、ダウが暴落するあらゆる条件が整っており、いつ暴落の引き金が引かれてもおかしくない状況だと警告していた。早ければ3月初旬にも暴落する可能性があるとしていた。
しかし実際は、すべての暴落予想は完全に外れた。予想に反してダウは変動しながらも上昇し続け、最高値の1万8000ドル台に達した。これはどうしてなのだろうか?