与党関係者からも異論が出ている
「こども保険」に関しては、与党関係者からも異論が出ています。政権擁護者の代表格である嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、保険制度に関してこう指摘しています。
保険は、偶然に発生する事象(保険事故)に備えるために多数の者(保険契約者)が保険料を出し、事象が発生した者(被保険者)に保険金を給付するものです。この場合、子供の保育や教育のためなので、偶発事象(保険事故)は「子供が生まれること」となるでしょう。
そして、保険契約者は「公的年金の加入者」、つまり20歳から60歳までの現役世代の人で、被保険者は「子育てする人」となります。子育てが終わった現役世代の人には、「偶発事象」はまず起こりえないので、これらの人は「こども保険」に入るメリットはなく、保険料を取られるだけになってしまう。
被保険者はこれから子育てをする若い人としても、子どもがいない、子どもができない家庭はどうなるのでしょう。保険の概念からすればかなりおかしいことになります。
「保険」という名称にしたのは、日本人の保険好きを利用したのではないかと指摘する声もあります。日本は保険好きの国民性だといえますからね。
なるほどね。ご説ごもっともです。身内からも厳しい指摘が出ていますね。子どもが生まれたら無条件に学資保険に加入、このイメージもこども保険への抵抗を和らげるという魂胆が見えるような気がしますよね。
また、経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう指摘してます。
「こども保険」と聞くと、子育て世代は非常に助かる制度と思うかもしれませんが、安易に賛成するのは危険です。自民党案は徴収ありき。集めた財源を保育サービスの拡充に使うのか、待機児童対策に使うのかすら決まっていません。
給付方法も支給額も不透明なので、いつ、どのように、いくらもらえるかも分からない。そもそも、骨子が“子育てを社会全体で支援する”なら、社会保険料の引き上げではなく、国民の目に分かりやすく増税にすべきです。そうしないのは、高齢者からの反発を買って票が逃げるのを恐れているからでしょう。
まだまだ議論の余地はありそうです。
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・「方向感が読みづらいマーケット/『こども保険』ってなによ」(4/10)
目次
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2.わかりやすい経済のはなし
○ 今マーケットでなにが起こっているのか
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3.いま話題のニュースの裏側
・米軍がシリアにミサイル攻撃
・「こども保険」ってなによ
4.絶対に“億り人”になる!!
・「待つ」のが大事
5.よもやま話~近況
・「考えればトランプ大統領は新人政治家でした…」(4/3)
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1.今週の重要指標&予定
2,.わかりやすい経済のはなし
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5.よもやま話~近況
※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2017年4月10日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『らぽーる・マガジン』(2017年4月10日号)より一部抜粋
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