貧困は遺伝する。堕ちてしまうと、のし上がれない
ニューヨーク・タイムズ紙は、世界中で20億人が中国発コロナウイルスのダメージによって貧困に落ちる可能性があると述べている。
全人口の約27%が絶対貧困になるのだから尋常ではない。
「世界は良くなっている」とか馬鹿げたファクトチェックがあるが、現実は逆かもしれない。今までの成長をすべて打ち消すような貧困と格差がこれから私たちの目の前に登場する確率が高まっている。
コロナによるダメージは全世界を覆い尽くしている。全世界がコロナウイルスに飲まれていくというのであれば、全世界が絶望的な格差に飲まれていくということなのだ。日本も例外ではない。
今やすっかり信用を失ってしまったWHO(世界保健機関)は、コロナは「消滅しない可能性もある。あるいは終息に長い道のりがかかるかもしれない」と言い出し始めている。これに同意する医師も多い。インフルエンザのように毎年、変異を繰り返しながらずっと私たちを苦しめるものになるかもしれない。
とすれば、貧困層の増大と政府の疲弊が深まっていくのは必至であり、低所得層の増加は新たな社会問題と化す。
今、日本では「6人に1人が貧困」という社会だが、そのうち4人に1人が貧困、3人に1人が貧困という時代になったとしても不思議ではない。
日本は労働人口の約4割がもう非正規雇用者なのである。彼らに仕事が消えれば3人に1人が貧困となっても驚くべきことではない。当然、子供の貧困も増える。
現在、日本では格差が深刻化しているのに生活保護を中心とした救済によってホームレスが減っているのだが、行政や社会が対応能力を失ったら、ある瞬間から突如としてホームレスも爆発的増加するはずだ。
これは今、私たちの目の前でリアルに進行している容赦ない現実である。
止まることなく、激しい勢いで貧困者増大と超格差が進んでいる。政治が混乱するとスピードはより加速するだろう。
富裕層が地獄に落ちるのは、最後の最後
もっとも、世界中の中央銀行がどこまで今の金融市場を支えられるのかは誰にも分からない。本当にどうしようもなければ、最後の最後に金融市場も大暴落して富裕層も地獄に落ちる。
ただ、富裕層が地獄に落ちるのは、ずっと後の話である。最初に落ちるのは、常に弱い低所得層であると決まっている。
最初にどん底(ボトム)に転がり落ちて、最後まで見捨てられるのが低所得層だ。そんな地獄の光景が、もう始まっている。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年6月5日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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