7~9月期の訪日外国人観光客はイマイチでしたが、10月に入って銀座に観光客が戻ってきた印象があります。銀座の人通りが途絶えない限り円安基調は続きそうです。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2018年10月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
米経済はアクセルとブレーキの同時踏み。この円安はまだ続く?
銀座に観光客が戻ってきた
7-9月期の訪日外国人観光客がイマイチ、輸出もイマイチとのことです。確かに関空が閉鎖されていたとき、東京銀座の人通りも心なしかまばらでした。
10月に入ってどうかと思ったのですが、銀座の中央通りにはランニングする輩を邪魔そうに見るくらい、観光客が戻っていました。
日曜日に銀座周辺を10kmちょっとフラフラ走ったのですけど、アジア・欧米問わず朝から多くの人です。中華料理店『鼎泰豊』の看板を見つけて「でぃんたーぃふぉーん」と綺麗に発音する中国系の方々もいらっしゃいました。
今年の場合、猛暑や豪雨は日本に限ったことではなく、世界的に多くの被害が伝えられてきました。その点一つ取ってみても、秋口の自然災害による交易面での影響は、不幸中の幸いながら限られるのではないでしょうか。
ここのところずっと円安
何より為替レートはずっと円安気味です。人民元安の煽りというか恩恵というか近所付き合いというか、結果として円高には至っていません。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)
アメリカの金融・財政政策が曲がり角に来るまで、この地合いは続くのではないでしょうか。
米経済はアクセルとブレーキの同時踏み
トランプ政権はまたぞろ減税を打ち出しています。子供だましの選挙対策ですが、おカネが絡む話に選挙は敏感です。目先の米国経済にも下支え要因となり得ます。
同時にFed(Federal Reserve:米連銀)は、米国経済がしっかりしている間は利上げを続けます。
財政政策と金融政策でアクセルとブレーキの同時踏みです。アクセルとブレーキを同時に踏めば燃費にも各パーツにも非効率的な面が出て来ると思いますが、仕方ないみたいです。
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