「新しい職業」とは何か? それはここ5年ぐらいで新しく生まれてきた職業のことです。最も目につくようになったのは「YouTuber」ですが、それ以外にも多くの新しい職業が生まれつつあります。今回はその代表的な職業を5つ、紹介します。
あと、10年もすれば、AI革命によって今の既存の職業の半数はなくなると言われています。「将来は○○になりたい!」と思って勉強してきた子どもたちが、いざ就職する時には目指していた職業がなくなっている…という事態に直面してしまうのです。こういう状況を踏まえると、現在の「学校教育」は、完全に空振りに終わってしまう可能性が高いと感じます。
失われていく職業に目を向けるのではなく、これから生まれてくる職業に目を向けて、人生を切り抜けていきましょう!(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)
ロボットに仕事を奪われても、次の新しい仕事はどんどん生まれる
オズボーン准教授「今後10~20年程度で47%の仕事が自動化」
AI革命は2020年代の中盤ぐらいから急速に始まるとされています。そして、AI革命が始まると、今、存在している職業の50%程度はなくなってしまうと言われています。
その予言をしているのは、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授です。米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。
その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至りました。この研究結果は2014年に発表されたものなので、ターゲットになっている年は2024年~2034年となります。AI革命が始まると予想されている時期とピッタリと一致しています。
2017年の現在はまだ本格的に「仕事が自動化されてなくなる」という段階ではないのですが、既にその兆候が少しずつ出てきています。
「YouTuber」が小学生の将来の夢、第3位に?
2016年3月22日付の毎日新聞(大阪朝刊)に、大阪府内のある小学校が調査した4年生男子の将来の夢が掲載されました。
<将来の夢(小4男子)>
第1位:サッカー選手
第2位:医者
第3位:YouTuber
第4位:公務員
第3位にYouTuberがランクインしたことが大きな話題になっていました。子どもの方が大人よりも感受性が高いためか、世の中の変化を敏感に感じ取っているように感じます。
YouTuberという職業はここ近年に新しく生まれた仕事です。YouTubeという自分専用のテレビ局でイキナリ世界中の人々に映像を配信できる時代になりました。
この変化はテクノロジーの進化によって引き起こされています。その要因は次の3つです。
- インターネット回線速度の高速化
- スマホの普及率の向上
- マスメディア離れ
本稿では、5つの新職業を紹介していきます。
【新職業その1】プロブロガー
トップバッターは「プロブロガー」です。「最近、新しく生まれた仕事」と呼ぶには少し説得力が欠けると感じた人もいるかもしれません。
なぜなら、ブログだけで生計を立てている人は10年以上前から存在していたためです。しかしながら、10年前よりも近年の方がインターネット広告市場の成長率が高くなってきています。
<インターネット広告費(2008年~2016年)>

出典:電通「日本の広告費」
2016年のインターネット広告費は1兆3,100億円で、年間成長率は13%です。2014年~2016年の成長率は3年連続で10%を超えています。年率10%のペースで成長する場合、市場規模は7年で2倍になります。インターネット広告費が大きく伸びてきているという市場の拡大が、プロブロガーの生活を支えています。
ただ、インターネット広告費が永久に伸びていくかと問われれば、その答えはノーです。なぜなら、広告費全体が伸びているわけではないからです。
こちらのグラフをご覧ください。
<各メディア広告費(2008年~2016年)>

出典:電通「日本の広告費」
インターネット広告費は毎年10%程度のペースで伸びていますが、総広告費は6兆前後で概ね横ばいで推移しています。
つまり、新聞、テレビ、DM等の旧メディアの広告費がインターネット広告費に振り替えられているだけなのです。
とはいえ、インターネット広告費が占める割合はまだ20%程度なので、引き続き市場規模は拡大していくと思われます。
「新しい職業」を生み出している根本的な構造が、旧メディア(新聞、テレビ、DM等)からインターネットへのシフトです。