国内市場はトルコ危機一色の雰囲気ですが、他にも無視できない変調があります。コモディティ市場を見ると、景気は確実に後退へ向かっていることがわかります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年8月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
リーマンショックから丸10年。先行指標の後退は無視できない…
トルコ危機だけじゃない市場の変調
国内市場はとにかくトルコ危機一色の雰囲気ですが、ちょっと引きで市場を見まわしてみると、どうも様子のおかしいことがたくさん出始めています。
特にコモディティ市場で景気の先行指標的な役割を果たしてきたものが弱含みはじめており、どうも市場に変化が確実に出てきていることがわかります。
銅をはじめ軒並み安くなるコモディティ
銅といえば、景気の先行指標として非常によく機能する商品と言われています。
一時期、中国で猛烈な需要があることから、国内の銅製品が市中で盗難にあうというほどニーズがありました。そんな銅の価格が、あれよあれよという間に大きく下落し、直近の高値からすでに20%も値を下げる事態に陥っているのです。

Copper先物<COMEX> 日足(SBI証券提供)
価格が下げたコモディティは銅に限らず、金属相場は全般に安値が続いています。
金もだめですし、パラジウムもひと昔前なら取り合いになっていたはずが足元では7%も下落するといった始末。
およそ世界景気は堅調なのかどうか疑いたくなるような相場が続いている状況にあります。
原油価格も一時的に高騰が続き、国内ではガソリン価格が大きく上昇していました。しかしリアルな市場では既に上昇トレンドは終了して、下落に入り込もうとしていることがわかります。

原油<WTI原油先物> 日足(SBI証券提供)
こうして見ると、世界経済の頼みの綱でもある中国の景気は本当に堅調なのかどうか疑いたくなってくるのも無理はありません。