つばめ投資顧問では、企業が持つ本質的な価値を大幅に下回る銘柄に投資する「バリュー株投資」を推奨しています。この記事では、2017年にバリュー株投資を実行するにあたって、注目すべきセクターや個別の銘柄をご紹介します。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
2017年の注意点と注目ポイント。チャンスは見放された銘柄にあり
ブレグジットが最大のチャンスだった
まずは、2016年のバリュー株投資を相場環境とともにおさらいします。
年初の日経平均株価は18,000円台でしたが、為替が円高傾向に動くにしたがって、2月には一時14,000円台まで下落しました。6月にイギリスのEUからの離脱(ブレグジット)が決まると、再び14,000円台に下落し、同年の最安値を記録しました。
下落傾向が続いていた市場に変化をもたらしたのが、11月のアメリカ大統領選挙です。トランプ新大統領の決定後は、政策への期待感からドル高円安・株高が進み、最終的に今年の終値は年初の高値水準を上回ることが濃厚です。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)
1年のうち、バリュー株投資で最も大きなチャンスとなったのは、ブレグジット後の株価下落局面でした。株価が下落したのは一時的で、1ヶ月も経たないうちにもとの水準を回復しました。その後は「トランプ相場」の追い風もあり、株価は上昇しました。株価の下落時に株を購入していれば、大きなリターンをあげることができたでしょう。
私は、ブレグジットが世界経済に与える影響はわずかであり、株価下落は投資家がパニックに陥っているにすぎないとブログやメールマガジンで発信しました。興味がある方は当時の記事を読んでみてください。
下落局面における投資の原則は、株価下落の要因とそれが企業の本質的な価値に与える影響を考えることです。影響が小さく、株価が本質的な価値を下回っていると考えられるならば、絶好の投資チャンスと言えるでしょう。